11月米大統領選に向けた共和党の全国大会は4日目の27日、2016年に続き候補指名を受けたドナルド・トランプ大統領(74)が受諾演説に臨んだ。演説では、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の「力強い回復」を強調。ジョー・バイデン前副大統領(77)を候補指名した野党・民主党の「極左化」を繰り返し指摘したうえで「二つの党、ビジョン、哲学、政策構想が、かつてこれほど明確に分かれたことはない」と述べて支持を訴えた。
トランプ氏はホワイトハウスの南庭に支持者を招待して演説。新型ウイルスの影響でオンラインを通じた全面バーチャル開催となった民主党大会との違いを鮮明にして、コロナ危機からの経済・社会活動の回復を強くアピールした。演説では、雇用統計の改善や減税、規制緩和など1期目の成果を強調すると同時に、オバマ前政権で副大統領を務めたバイデン氏の対中姿勢や犯罪対策を細かく批判。バイデン氏との対決姿勢を明確にした。 米中西部ウィスコンシン州での警察官による黒人男性銃撃事件を受け、全米で再び高まりをみせる黒人差別・警察暴力への抗議行動に対しては「法と秩序」を掲げ、厳しい姿勢で臨む考えを改めて示した。【ワシントン高本耕太】