【NQNニューヨーク=岩本貴子】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まった。午前10時時点では、前日比276ドル46セント高の2万7729ドル12セントで推移している。その後、上げ幅は350ドルを超える場面もある。追加経済対策で米与野党が合意するとの観測が強まり、投資家心理が改善した。
ムニューシン米財務長官は30日、投資家向け会合で「(追加経済対策の)合意に向けて真剣に取り組んでおり、合意は可能だという希望を持っている」と述べた。超党派の下院議員のグループがまとめた1.5兆ドル規模の対策を念頭にあるようだと報じられた。
個別では航空機のボーイングが高い。運航停止中の小型機「737MAX」のテスト飛行を米当局が30日に実施すると伝わった。アナリストが買いを推奨したゴールドマン・サックスの上げも目立つ。化学のダウ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメックス)など景気敏感株は総じて高い。
トランプ米大統領とバイデン前副大統領が初対決した29日夜のテレビ討論会については「明確な勝者はいなかった」(インベスコ)と受け止められ、相場への影響は限られている。