公演関係者の新型コロナウイルス感染判明でミュージカル「アラジン」の上演が中止になった劇場=30日、米東部ニューヨーク市の劇場街ブロードウェーで(AP)

公演関係者の新型コロナウイルス感染判明でミュージカル「アラジン」の上演が中止になった劇場=30日、米東部ニューヨーク市の劇場街ブロードウェーで(AP)

【ニューヨーク=杉藤貴浩】米国で新型コロナウイルスワクチン接種後に陽性となる「ブレークスルー感染」が社会活動の正常化にブレーキをかけている。ニューヨークの劇場街ブロードウェーでは再開したばかりの人気公演が一時中止。名門ハーバード大でも学生の感染急増で対面講義がオンラインへ切り替えられた。

ブロードウェーでは、9月29日のディズニーミュージカル「アラジン」が公演開始30分前に取りやめになった。複数の舞台関係者にブレークスルー感染が発生したためで、運営側はチケット代の払い戻しなどの対応に追われた。

約40の劇場が集まるブロードウェーはコロナ前、国内外から週25万人が訪れるなどニューヨークの観光業の柱だったが、昨春の感染爆発から1年半もの間、公演を休止。俳優やスタッフ、観客へのワクチン接種を義務付け、今年9月に大半の劇場が再開したばかりだった。アラジンの運営側は「新たな感染はない」として、30日の公演再開を発表したが「他のショーも同じ危険にさらされる懸念が生じた」(CBSテレビ)と動揺は大きい。

一方、東部ボストン郊外のハーバード大ビジネススクール(経営大学院)は、学生のコロナ感染が急増しているとして9月27日から少なくとも10月3日まで多くの講義を対面からオンラインに切り替えた。

同大では学生や教職員の95%以上がワクチン接種を完了。多くがブレークスルー感染とみられ、大学側は接種済みの学生も含めた検査の強化に乗り出した。

 

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