米疾病対策センター(CDC)は、新型コロナウイルスに対するワクチンが10月末~11月初めにも一部で利用可能になるとして、全米各州などに接種準備を進めるよう通知を出した。米食品医薬品局(FDA)は、臨床試験(治験)終了前でも、安全性や効果が確認されれば、通常の薬事承認を経ずに緊急時の使用許可を出す検討をしている。

米ニューヨーク・タイムズによると、CDCの通知は8月末に各州や大都市の保健当局に出された。「限定的だが、ワクチンが11月初めにも利用できるようになるかもしれない」としており、医療従事者や基幹産業従事者など優先的接種を受ける人の数を直ちに把握するよう求めている。ワクチンは特定していないが、ワクチンの特性や確保できる量に合わせて3種類のシナリオを提示。低温での輸送・保管や、既存の診療所や軍事施設、移動式診療所など接種場所の確保などを検討するよう指示した。

米国ではワクチン3種類で最終の治験(第3相)が始まっている。米バイオ企業モデルナ、米製薬大手ファイザー、英製薬大手アストラゼネカが開発するもので、それぞれ3万人規模が参加する。

朝日新聞社