【NQNニューヨーク=川内資子】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落している。15時現在、前日比142ドル17セント安の2万9341ドル06セントで推移している。米国では新型コロナウイルスの感染者数の増加を背景に行動制限を強化する動きが広がっており、目先の米経済が停滞するとの懸念から景気敏感株を中心に売りが優勢となった。

米国での新型コロナの1日あたりの新規感染者数は連日で過去最高水準となっており、死者数も増加している。カリフォルニア州が19日、夜間外出禁止令を出すなど行動制限を強める州や都市が増えており、短期的に米経済を下押しするとの懸念が強まっている。JPモルガンは20日、2021年1~3月期の米国内総生産(GDP)はマイナス成長になるとの見通しを発表した。

ムニューシン米財務長官は19日夕、米連邦準備理事会(FRB)と共同で立ち上げた新型コロナに対応するための政策の一部を期限となる12月31日以降は延長しない方針を示した。政治的判断との一部批判に対して、ムニューシン氏は20日、FRBに返還を求めた未使用の資金は失業者などの支援策に資金を充てるよう議会と協議していると説明した。ただ、方針に反対したFRBとの対立など政策運営の先行き不透明感が高まり、投資家心理は悪化した。

航空機のボーイングや化学のダウ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメックス)とビザなど景気敏感株の下げが目立つ。一方、動画配信のネットフリックスやビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズなど、巣ごもり消費や在宅勤務の恩恵を受けやすい銘柄は上昇。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に続伸し、前日比11.730ポイント高の1万1916.444で推移している。

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