中国の武漢市で原因不明の肺炎が報告されてから2年が過ぎたが、新型コロナウイルス感染収束の兆しはなお見えていない。世界保健機関(WHO)の当局者は、感染水準が下がるまでは「前途多難」だとの見方を示した。

WHOで緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は「ウイルス自体が完全になくなる公算は非常に小さく、恐らく低水準での感染パターンに落ち着き、ワクチン接種が不十分な集団で時折流行が発生するようになるだろう」と指摘。その上で「しかし、まだその段階には達していない。低水準への道は前途多難だ」と述べた。

ギリシャはオミクロン変異株の感染拡大を遅らせる一連の新たな措置について、当初予定の1月3日ではなく、今月30日に前倒しで実施する。レストランやバー、カフェ、ナイトクラブは午前0時の閉店が義務付けられ、一度に同席できる人数は6人までとなる。プレブリス保健相はテレビ演説で「オミクロン株は今や感染の主流だ」と述べた。

米国ではオミクロン株の広がりに伴い子どもの入院が増えていると、米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長がMSNBCに語った。「そうした子どもの多くはまだワクチンを接種していない」と同氏は指摘。「つまり、子どもに接種を受けさせよというのがここでのメッセージだ」と語った。

米食品医薬品局(FDA)は28日遅く、感染検査に広く使われている迅速検査ではオミクロン変異株を見落とす恐れがあるとの見方を示した。

オランダは30日以降、米国からの渡航者に対して入国後最長10日間の自主隔離を義務付けると発表。オランダは現在、米国を「非常にリスクの高い地域」に指定している。

中国は28日時点で、人口の約86%に相当する12億人余りがワクチン接種を完了していると、国家衛生健康委員会(NHC)が明らかにした。3-17歳向けのワクチン接種は約4億6500万回に上るという。

米ジョンズ・ホプキンズ大学とブルームバーグの集計データによると、世界の新型コロナ感染者数は2億8310万人、死者数は541万人をそれぞれ上回った。ブルームバーグのワクチントラッカーによれば、世界のワクチン接種は計90億9000万回を超えた。

 

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